ビギナーズマインド。
禅の修行で難しいのは、
足を組むことや悟りを得ることではなく、
初心をたもつということ。
1960年代に渡米した禅僧、鈴木俊隆老師の言葉です。
先日、近くのお寺で得度式(僧侶になる初めの儀式)がありました。
得度する12歳の少年は白衣姿で立て膝をし、長い間合掌しておりました。
なれない合掌はうでがだるくなり、ぷるぷるふるえ、初めは指先が鼻のあたりだった合掌も疲れてだんだん下になっていく。
それでもその少年はグッとまた合掌を上げていました。
下がっていくたびに何度も。
お袈裟をつけるのになれ、
衣を着るのにもなれ、
お経を読むことになれ、
なれていくとだんだんと、自分がどんな姿をしているかわからなくなっていく。
禅の生き方とは、初心をたもつこと。
「初心の辦道(べんどう)すなはち本証の全体なり」
(道元禅師「辦道話」)
初心のすがたはすべてをもうすでにあらわしているし、
今日のこのすがたこそ初心そのもの。
今日という初日を大切にまいります。