「来週土曜日の学園祭のために練習したい」
という高校生が昨日、
お寺にあるピアノを弾いていた。
去年、私の同級生の母親から寄贈されたピアノだ。
お寺の玄関にあるだけで、この一年さまざまな人に弾いてもらっている。
ある人は納骨のとき、
亡き母のために、
ある人は法事のとき、
ひそかに始めたピアノを親戚に披露したくて、
ある人はパントリーのときに、
子どもたちを楽しませるために、
あるいは演奏会で、
他の楽器と競演して、
技術のある、なし、
ではなく、思いある人が、
その思い届けたい、という
その姿勢が聴く人を優しい気持ちにさせる。