令和元年10月から始まった開創三百周年事業のしめくくりとして、令和7年5月10日11日の2日間に亘り大法要が修行され、遠くはイギリス・スリランカ、日本国内外から80人の僧侶と延べ260人を超える参列者の皆様と共に、また、当日はご参加かなわなかったけれど遠近より心をお寄せ下さった方と共に無事大円成致すことができたこと、心より感謝申し上げます。
大法要を迎える前までに、お檀家の方々のみならず地域の沢山のご協力あって、その日を迎えることができました。30人を超えるお檀家さんと共に境内の草も抜きました、落ち葉を集めました、窓は北斗高等支援学校の生徒さん先生方がまったくの奉仕でビカビカに磨いてくれました。その気持ちの強さに圧倒されました。一年間かけてお袈裟も縫いました。法要数日前に、最後にお袈裟のしわをとりにアイロンがけしてくれた方もいました。何より36年に亘って勤め上げた前住職夫妻の思い、余命宣告されている中、まさに命がけの法要でした。また病気の身体を押して駐車場整理して下さった方もいました。一人一人挙げると数えきれないくらいの思いが両日に凝縮された分、住職就任の為の問答では、私自身、これ以上ないくらい渾身でした。渾身に払子を振り、臓腑の底から言葉が湧き出でてきました。人間、身体の真ん中から震えると、涙も出てきました。300年に亘る、今は亡き人の思い、今を生き抜く人の思い、これから生れ落ちる人の思い、過現未に亘る思いが本堂の須弥壇上に交差していたからこそ、打ち震えた。打ち震えた本堂を祝う大般若祈祷では、春の野花が虚空に舞った。
私が今ここに至るまでに、僧侶という道を歩む上で、この人がいなければ今ここにいなかっただろう、たくさんの方に見守っていただいた日でもありました。応援してもらいたい人にたくさん応援してもらった分、この地域でかがやいているたくさんの人たちを私も応援したい。
今ははればれと大らかな気持ちです。
たくさんの感謝の気持ちをまだ伝えきれていない人もいます。
これからゆっくり急がず、私の生き方を通して返すべきものもあるのだという、そういう気持ちです。
これからも広徳寺を宜しくお願い致します。