数年ぶりに祖父母の墓参りに行ってまいりました。
香華を供え子どもたちとともに手を合わせ、
短い経を唱えます。
お墓参りに来ると、
他の人がお花を供えているのを見ます。
風でなかなかつかない線香になんとか火をつけようとしている姿があります。
供物を供え、お参り終わってその場で皆で食べている姿があります。
夏の暑さと湿気にまざってただよう線香のかおりと、
蝉の声。
桶に水を汲んで柄杓で墓石にそそぐと、
気持ちいい、という仏の声が聞こえるようだし、
私の心も洗われるようです。
墓石の前に来ても何の生産性もない。
経済の動向が第一の現代では、そう言われてしまうかもしれません。
何よりそういう時間をとれないから、
お参りすることから遠ざかっていく。
せっかく仕事の休みをとって、
自分のためだけの時間を過ごすのも楽しみですが、
縁ある人の墓石の前で立ち止まると、
いつか忘れていた声が、
心の中で聞こえてくるのを感じます。
今日も一日心穏やかに過ごせますように。