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受けた風をそのままに

風のつよい日がつづいています。
まちを歩くと鯉のぼりが元気におよいでいるのを見ます。
風がおおいほど力づよく。
風がつよいほどしなやかに。
本堂の屋根の四隅にぶらさがっているのを
風鐸(ふうたく)といいますが、
鯉のぼりと同じように風のとおりみちにあって、
朝課中にもカランカランと音を鳴らしていました。
鯉のぼりも風鐸も、
東西南北どんな方向からの風もえらばない。
風をしなやかに受け、ながし、
風鐸は清らかな音をたてる。
そんな鯉のぼりや風鐸のように生きたいのに、
私はどうしても
「この風でないと」と
「こんな風は嫌だ」と
頑張ってしまう。
道元禅師の師である如浄禅師はこんな詩を残しています。
 渾身似口掛虚空
 不問東西南北風
 一等爲他談般若
 滴丁東了滴丁東
渾身(こんしん)口に似て虚空(こくう)に掛かれり
東西南北の風を問わず
一等に他が為(ため)に般若(はんにゃ)を談ず
滴丁東了滴丁東(チチンツンリャンチチンツン)
虚空にかかっている風鈴は、全身が口そのもの
東西南北どちらの風かなんてえらんだりしない
ただただ受けた風をそのままに真実をかたっている
ちりんちりんと
今日も一日心穏やかに過ごせますように。

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