12月に入り、じょじょに年の瀬を感じる季節となりました。
11月の初旬には真冬並みの寒気となり、
「この冬はキビシイんだろうか・・・」
などと案じておりましたが、三寒四温
りんと背筋が伸びるような寒い日もあれば、
小春のような陽気な日も感じながらの年末です。
つい先日、広徳寺通信とお正月のお参りの案内も済ませ、ほっとひといき。
先月11月18日に行われました「成道会(じょうどうえ)」の様子をお届けします。
函館周辺の曹洞宗のお坊さんが集い、お経をお唱えし、
「成道会(じょうどうえ)」をお勤めします。
「成道会(じょうどうえ)」とはお釈迦様がお悟りを開かれた12月8日にちなみ、
お釈迦様に対してお勤めされる法要です。
お釈迦様にちなんだ行事として他に、
4月8日の「降誕会(ごうたんえ)」(誕生日)
2月15日の「涅槃会(ねはんえ)」(ご命日)
があり、三仏忌といいます。
他の仏教国では、ヴェサックといい、
三仏忌を一回でお勤めします!
国は違えど、仏教徒であれば必ずお勤めされるものなんですね!
そして、「成道会」ではこちら、
おかゆですね!
五味粥(ごみしゅく)といって、
なんと法要中に本堂でお坊さんが食べるものなのです!
お経を読んでいるお坊さんがご飯を食べるってたぶん、この「成道会」くらいかも。
お経を読み終わって、お拝をして、最後に「ケーン!」と鳴った鐘に合わせて、
手のひらに配られたおかゆを「ペロッ」と舐めるのです。
この五味粥(ごみしゅく)。
実は、お釈迦様がお悟りをひらかれた時のことにちなんでいます。
29歳で出家してお釈迦様はさまざまな苦行で
体を極限にまで追い込みます。
息を止めたり、断食したり、
だから苦行を経たお釈迦様のからだはぼろぼろ。
※ 引用元はコチラ
私たちが知っているお釈迦様のあのふくよかさはどこにもありません。
結構ショッキングな表現ですし・・・
お釈迦様は6年の苦行を経て、
「苦行をしてもしょうがない!」ということに気づいたんです。
お釈迦様が気づいていただかなければ、
後世のお坊さん、私どもも苦行しなくてはならなかった・・・
のですが、お悟りをひらいた結果、それはしなくてもいいとなったんです。
お釈迦様はお悟りをひらかれて、初めてのお説教(初転法輪)にて、
次のように語ったといいます。
比丘たちよ、出家者はこれら二の極端に従うべきではありません。
二とは何か。
下劣、粗野、凡俗の、聖ならざる、利益を伴わない、
諸欲の快楽にふけること。
および、苦しい、聖ならざる、利益を伴わない、
自虐にふけることです。
比丘たちよ、如来はこれらの両極端に近づかず、
中道をよく覚りました。
(片山一良 訳)
要するに、
易きに流れてもいけないし、
自虐であってもいけない。
中道とは、お釈迦様の教えのベースであるし、
仏教の特徴ともいえるでしょう。
苦行をやめたお釈迦様は、
断食でやせ衰えた体を、米飯や麦パンを少しずつ摂り回復させ、
ネーランジャラー河で沐浴をし、
スジャーターという若い娘によって供養された乳粥を召し上がったといいます。
それから、菩提樹のもとで足を組み(結跏趺坐)、禅定に入られるのです。
五味粥というのは、この乳粥にちなんでいるのです。
「成道会」が終わって、ご先祖供養をし、
この度は、函館市永全寺住職 齊藤隆明老師によるお説教がありました。
次回のお寺参りは涅槃会と春彼岸会、
3月16日(木)です。
先代住職の23回忌の法要も執り行う予定となっています!