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お供物について その2

今回は前回に引き続き、お供物(くもつ)についてのお話。
ご法事の際、どんなお供え物を準備したらよいのかをご説明いたします。
 
■ 基本的なお供え物
前回確認しましたように、以下の7つの基本的なお供え物は忘れずに準備しましょう。
お花・お香(線香)・火(ロウソク)
お菓子・果物・お霊供膳(れいくぜん)
積み団子(一対)
 
■ ポイントはお供え餅
ご法事の際には、基本的なお供え物に加えて
お供え餅を上げます。
お供え餅とは、大小の平たい球状のお餅を重ねたもの。
お正月の鏡餅からミカンをとったような形のお餅です。
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お供え餅の数は、ご供養する仏さんの数に同じ。たとえば、お祖父さんの13回忌をするという場合には、お供え餅は一つ。お祖父さんの13回忌とお祖母さんの17回忌を一緒に行う、といった場合には二つお供えします。お餅の色は白、お正月のような飾り物は必要ありません。


■ ご法事らしいお供え物も
ご法事では上の7つのお供え物の他に、桟餅(さんもち)・お饅頭(まんじゅう)、べこ餅くじら餅)をお供えしてもよいでしょう。

◇ 桟餅(さんもち)
桟餅は文字通り、桟橋(さんばし)を表したお供え物。ご先祖様が彼岸(ひがん・おさとりの世界)へと渡ることが出来るように、その渡し橋として桟餅をお供えします。5本あるいは7本を、対でお供えします。
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◇ お饅頭(まんじゅう)
むかしの人にとって、お饅頭は普段口にすることの出来ないものでした。ご先祖様にお饅頭をお供えして最高のごちそうを召し上がってもらいましょう。20個ずつ計40個、対でお供えします。
◇ くじら餅(べこ餅)
「くじら」「べこ(牛)」にたとえられるように、お饅頭同様、日常生活で口にすることのないごちそうとしてお供えします。15個くらいずつ、対でお供えします。
 
■ 心をこめてお供えを

形を通して心を伝えるのがお供え物。
 
最近は、お葬儀屋さんやお菓子屋さんにお願いすれば用意してもらえるお供物ですが、本来は故人を想い自分の手で作り、自分の手でお供えするものです。
 
ひとむかし前は、べこ餅ひとつとっても、人によって描く絵柄にこだわりがあり、人々は競い合ってべこ餅を作りお供えしていました。それは「べこ餅芸術」といっていいほど多種多様だったそうです。
 
すべてが便利な時代だからこそ、お供え物には心をこめたいものですね
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◆ 元梅花講員の古川さんのべこ餅。ピンクと黄色と深緑で美しい花を描きます。

***「広徳寺通信 第7号」(2010年11月発行)より

※ 仏事に関しては、北斗市広徳寺(曹洞宗)のお檀家さま向けに書かれたものです。仏事のやり方は、地方やお寺、宗派などによってもまた変わってくるものです。わからなければ是非、自分のお寺の和尚さんに聞いてみてください!きっと、こころよく教えてくれるはずです。

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